小倉遊亀展@平塚市美術館
小倉遊亀の回顧展に。マチスに似た構図や色彩。人の顔がピカソに似ている絵もあるが、舞子と言う絵に現れる色彩は日本固有の美しい色使い。そして、何と表現したらいいかわからないが、一瞬移りゆく心に仏が現れた、その一瞬を切り取った幼い舞妓さんの気負いない透明感ある心あらわれる姿。
また、年かさのある、でも艶やかで清潔感がありふっくらと女性らしさもあり、そして妖しさのうえにキリッとした品もある女性も描かれていて。50代そんな女性を目指したい。
そして、仕事で、もうひとつ天井を突き破れない時に悶々とする今。磨針峠の絵が心に刺さった。
峠の名は、とある青年僧が学なかばで自分の才能をあきらめ京から帰郷の途中、この峠で老婆が斧をといで一本の針を作る光景に出会い、自分の怠惰に気付いて京に戻り修行に励み高層になった、との伝えに因むもの。
老婆は観音の化身で、僧を導くため出現したという。悟りきれず悶々と山道をゆく僧と、僧の迷い道を解かんと導く老婆の絵。